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【Red Velvet】Zimzalabim考察


Red Velvet 레드벨벳 '짐살라빔 (Zimzalabim)' MV

こんにちは、そしてお久しぶりです。
エトです。

今回は「Zimzalabim」の考察です。

第一章: ティザーの謎

ⅰ. The ReVe Festivalの謎

まず初めに前提となる概念について触れておく。

今回を起点とした3作は、"The ReVe Festival"という概念に統括される。

ReVeは恐らく「Red Velvet」の短縮系だろう。
そしてもうひとつ。
フランス語でReveは""を意味する。
全てを訳すと「夢の祭典」。

更にThe ReVe Festivalは3つに分けられる。

①Day 1 (Zimzalabim)
②Day 2 (Umpah Umpah)
③Finale (Psycho)

この構成を頭の隅に置いて、今回は①のZimzalabimについて考えていこう。


ⅱ. ティザー映像の謎

公開されたティザー映像は今までと打って変わってとても明るい感じが印象的である。

青い空の下にそびえるガチャガチャの機械。

コインを投入するとー

カプセルが出て来た。

カプセルはレールを転がり続けるが、ここでふと既視感を覚える。例えばこれは「RBB」の狼とカボチャ。

全体図を見てみよう。(左上から右回り)

・屋敷=Peek-A-Boo
・狼,カボチャ=RBB
・フルーツの観覧車=Red Flavor
・ピンクの氷山=Bad Boy
ダンボールと脚=Dumb Dumb
花男とUFO=Rookie
・ジャングル=Hapiness
・ボート=7월7일
・パフェ=Power Up

と、今までの要素が詰め込まれている。

これは妄言だが、左下のHappinessのジャングルと7월7일のボートはまだ加入していなかったイェリ(がMVで乗っていた)をお姉さんたちが囲んでいるなら素敵だな〜なんて、思ったり…

そしてレールを転がり終えると今作「Zimzalabim」のチケットが出るという次第である。"The ReVe Festival Day 1"の始まりだ。


ⅲ. ティザー写真の謎

イェリのベールに刺繍されている「13

これだけで鍛錬された読者さんたちはお気付きだろう。またもや忌み数である。

いずれも俗説であるが
①裏切り者ユダが最後の晩餐で13番目の席に着いたとされる
②キリストが処された日は13日

などと言われている。仮に13が①,②を意味するのであればそれは「裏切り/」となる。確かにイェリはBad Boyでも裏切りのアイコン「猫」を身に付けていた。

何にしろ不吉な暗示には違いない。

その他にティザー写真で特筆すべき点は見られなかった。それらについては3部作が終わるタイミングで再考しようと思う。


ⅲ. Zimzalabimの謎

次に今回のタイトルの話をしよう。

そもそも"Zimzalabim"とは何なのか。MVやその曲調からでも推測する通り、これは一種の「呪文」である。


起源は1900年代までに遡る。

アメリカに1人のマジシャンがいた。

名前はHarry August Jansen(ハリー・オーガストヤンセン)。デンマーク生まれで"Dante the Magician(ダンテ・ザ・マジシャン)"という名前で活動していた。

そんな彼がマジックショーで所謂私たちで言う「アブラカタブラ!」や「ちちんぷいぷい!」の意味合いの呪文、Zimzalabimを唱え始めたのだ。

第二章: MVの謎

ここからはMVを場面ごとに見ていく。

モノクロの世界に現れた一台のバン。

そこから降りてきたRed Velvet。

冒頭のウェンディがいるチケットの販売所には
"Zimzalabim Park"とある。

つまり、今回の舞台は遊園地である事が分かる。

ウェンディはチケットを見せるがー

手にしたチケットは5枚ある。
一番右にいるウェンディはチケット販売所のウェンディとは服装も髪型も異なる。

では、このウェンディは何者?

恐らくRed Velvetを遊園地に招待した側だ。
これからは招待された側を「
招待した側を「」と表記する。


曲の歌詞を見てみよう。

"Hoo hahaha Are you ready for this?"
(ハハハ 準備は出来た?)

"Zimzalabim!"

ここで真達は偽のウェンディに魔法を掛けられる。



いざZimzalabim Parkの世界へ。

ここで違和感を覚えるのは雲の位置である。
なぜ雲よりも高い位置に遊園地があるのか。

そして誰もいないアトラクション。

つまり、この遊園地は偽側が掛けた魔法による幻想、という訳だ。実在はしない。

招待された彼女たちの元に突如落ちてきたエレベーター。あと数メートル位置が違えば命すら危うい。

そんなエレベーターの中にいたのはのジョイ。

"Gravity"(重力)のレバーを下げるとRed Velvetたちは地面に張り付き、

ボタンを押すとどんどん上昇。

そして最後には消されてしまう。

お次はイェリ。このイェリもまたである。

安全ベルトも無しに手綱を引いている。

そしてコースター落下の瞬間、目の前に現れるのはアイリーン。説明せずともである。

彼女の周囲を回るジェットコースター。

最後にはティーカップに吸い込まれる。

コースターしかり、ティーカップしかり、
ぐるぐると目が回るものに乗せられ続ける様は
まるで催眠を掛けられているようだ。
 

吸い込まれた先にはキャンディー等が浮遊するコーヒーカップの空間。衣装に注目しよう。チケットを貰った時のピンクの服装ではない。

催眠完了、といったところだろうか。

さて、偽のスルギが電車に乗って現れたのはの空間。
」を手にしている。

たくさんの足があちこちへ歩いているカットもある。恐らく足が表すのはこの永遠に続くように見える鏡の間に閉じ込められた過去の「幻想の被害者」たちであろう。

この空間にも現れるアイリーン。
彼女が多くの人々をここへ追いやったのだろう。

しかし、先程のスルギが持つ本をよく見ると、表紙が迷路の装丁であった。つまりスルギはこの迷路空間から脱出しようとしている=幻想であることを認知している

次に連れて行かれる場所は「撮影所」。

ここで写真を撮ってしまえばアイリーンが創り上げた幻想空間の住人登録がされるのではないだろうか。

となると、偽のスルギがこのカメラを使って住人登録の解除が出来ないか隠れて確認しているようにも見える。

スルギは何とか脱出しようと試みるがー

監視者にバレて証拠を押さえられたか?
それとも1人、解除に成功したのか?

しかし再びスルギはセットの中で指をくるくると回しているだけなのだ。失敗したのだろうか。

真のRed Velvetを消した偽達は、思う存分自分たちの世界ではしゃぎ回る。

この時、やはりスルギだけは笑顔に見えない。

しかしそんな彼女達を乗せた乗り物は、

gifs website

空中で爆発し、花火になって消滅してしまう。

そうして後に残ったのは、3Dメガネを掛けたメンバーと、1人だけ何も掛けていないアイリーンであった。



i. 黒幕アイリーンの謎
 
一通りMVの流れを確認したところで、構成を整理しながら考察をしていく。

物語を要約すると以下のようになる。


①偽達が真達をZimzalabim Parkへ呼び、彼女達を消そうと画策する。

この偽達は一体何者なのか?
簡単に言えば「幻想空間」の住人である。
現実の世界にいる真達に嫉妬或いは憎悪なのだろうか、それとも単なる遊びなのか。


②偽達が真達を騙して幻想空間に引き摺り込み、その存在ごと消滅させる。

どんな手を使ったのかは不明だが、それこそ魔法のように"Zimzalabim!"と呪文を唱えて真達を消した偽達。


③真達を消してはしゃぐ偽達、と思いきや現れる黒幕アイリーン。

ここが最大のポイントである。

単刀直入に言うと、アイリーンは前述した魔術師ダンテである。

ダンテはマジックショーで世界中を回る時、動物やガールズダンサーをいつも連れていたと言われている。

彼は彼女達を激しく踊らせ
時には彼女達を舞台から消すショーも行っていた。

つまり、アイリーンは初めから偽達と思わせていたRed Velvetに催眠を掛け、幻想に重ねた幻想を見させていただけだったのだ。

Rookieと似た構造ですね。

今作に至るまで守られてきたアイリーン黒幕的役割の描写である。


ⅱ. 消えた真達の謎

さて、偽達に消された真達(これも幻想)だが一体どこへ行ってしまったのだろうか。

"消えた"とだけ書くのは何だか忍びないので少し考察をしてみる。

恐らくこの空間である。虚構の象、魚に蝶。
つまり彼女たちはダンテのマジックショーに使われる(暴力的表現で言うと)道具になったのではないだろうか。

真達をそのようにした偽達は風船が飛んだり星空が瞬く夜空、月やユニコーンに乗って思う存分に楽しむが、それらもまたアイリーンの手の平の上で遊ばれていた、という構造だ。


ⅲ. 歌詞の謎

今回の歌詞についてはやはり「」がテーマだろう。


"늘 바라 바라 바라봤자 꿈이 아냐"
(常に願ってみよう 夢じゃない)
"뭘 원해 원해 원해 tell me"
(何が欲しいか教えて)
"네모난 지구 위로 걱정은 모두 던져"
(四角い地球の上で心配事は全部捨てて)
"주문을 외는 순간 누구든 행복해져"
(呪文を唱えた瞬間誰もが幸せになる)
"너 몰래 자취를 감춘 꿈을 찾아서"
(君は姿を消した夢を探して)
"꿈은 네 안에 있는 걸"
(夢は君の中にあるよ)


歌詞の中でポイントになる箇所を抜粋した。

"型にはめられた世界で見失った夢があるんでしょう、そんな自分の呪縛を解いて本当の自分を見つけようよ!"

何だかそんなメッセージが感じられる。

私達の夢は十人十色である。
ではRed Velvetの夢は何だろうか?

きっと"Hapiness(幸福)"だろう。

彼女達のデビュー曲のタイトル、また日頃の挨拶にHappiness!と言っているからだ。

スルギが本を持って何か行動しようとしているこのシーン、着けている指輪の宝石はエメラルド。宝石言葉は「幸福」である。

この場面はMVでスルギが偽達から逃げる描写と、本当の幸福を探すという概念的なダブルミーニングがなされているのではないだろうか。

そしてウェンディのこのシーン。
梯子を登るのは「」の暗示だという。

ここで言う夢は寝ている時に見るものでは無く、希望や目標といった意味合いである。


しかし、この素敵な歌詞には危ういところもある。MVの黒幕アイリーンがこの台詞をメンバー達に囁くところを想像して欲しい。

誘惑する悪魔のような言葉にも聞こえないだろうか。

後出しジャンケンのようだが、実際にダンテは自身のマジックショーのポスターに悪魔をよく登場させ、引退後に出版した自伝のタイトルを"The devil, himself"としていた。



第三章: Red Velvetの謎

世界観考察に欠かせないグループ全体に通ずる謎をいつも通り洗い出す。

①車

まずは車。今回はバンであり運転席が見えないが、しっかりと登場しているのは変わらない。


ユニコーン

Bad Boyを継承し、再びイェリと登場。


③ラウンドテーブル

Russian Roulette, 7월7일等に出てくる丸型テーブル。


④鏡の国アリス要素

まずはティーカップ

ハートの女王、アイリーン。

言わずもがな、鏡の空間。

そしてこの時のアイリーンの衣装に着目すると、

作中に登場するトゥイードルダムとトゥイードルディーというキャラクターの服に似ている。

このキャラクターを簡単に説明すると、アリスが白兎を見失った(or森で迷った)時に出会い、2人に道を尋ねたが何故かその場の空気に流されて踊ってしまい本来の目的を忘れてしまう。

その後、寝ている赤の女王の元に連れられたアリスは2人に「君は赤の女王の夢の登場人物にしか過ぎない」と教えられる。


あのピンクの鏡張りの空間はアリス要素の表現だったという訳だ。だからRookieでアリス役だったスルギはあの空間でトゥイードルダム達(かつ赤の女王役)のアイリーンと出会い、

そして鏡を利用して見た目がそっくりな2人を巧みに再現したのだろう。彼らの衣装を身に着けながらハートのピアスを着けているのはそういう意味だと捉えると、その表現力に思わず溜息が出てしまう。

そして忘れてはならない、本。


第四章: まとめ

これまでのまとめを行うと、

①メンバーに魔法を掛けて幻想を見させて、相手を消させようとする魔術師アイリーン

②MVの本質はRookieと似た構造

③その意図はアイリーンの思い通りに動かしてメンバーを自分の世界から抜け出せなくしようとしているのか

④ティザー写真についてはよく分からない
3部作を通じて考察する必要がありそう

第五章: あとがき

「Zimzalabim考察」いかがでしたか。

まずは久々に次ぐ久々の更新になり申し訳無い気持ちでいっぱいです。

今はコロナで大変な状況ですが、皆さん元気にお過ごしでしょうか。日々体調に気を付けて、来たる夏を乗り越えましょうね。

休止中もこのブログに遊びに来てくれたり、コメントやフォロー、中には何故か私のブログを論文に使用して下さったり、本当にありがとうございます。大感謝です。

次はUmpah Umpahになると思うのですが、そのまた次のPsychoが出せたら、以前読者さんからリクエストを頂いていたTwiceの考察が私に可能であれば1度チャレンジしてみたいです。


これまでと同様、今回の考察に対して新たな考えやアイデアがあれば、このブログでもTwitterでもどしどしコメント送って下さいね^^


https://twitter.com/kpop_kousatsu
(Twitterで更新報告をしています)


それではまた。エト