K-POPの謎解きブログ

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【Red Velvet】7월7일考察

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こんにちは、エトです。

今回は「7월7일」 の考察です。

第一章: コンセプトの謎

RedVelvetの所属事務所SMEは「7월7일」をタイトル通り「七夕伝説(織姫と彦星)」になぞらえた "1年に1度の逢瀬" をコンセプトにしていると公式発表。

しかし、以降に表示する写真やMVからは七夕伝説よりも「セウォル号事件」の情景がひしひしと感じられる作品になっている。

実際タイトル写真を見ても、普通なら天の川が背景になるところ「黒い海」が背景になっている。

また、雲の後ろに月があるこのモチーフ。
現在の太陽暦ではなく、太陰暦(=旧暦)を意味しているのではないか。

となると、

7월7일MV公開日3月17日
セウォル号事故発生日4月16日


すると、事故が発生した4月16日の旧暦が公開日の3月17日と重なった

7月7日にかけて、7×7=49はどうだろうか。
49日と聞くとピンとくる人もいるだろう。
言葉の通り「四十九日」=故人の魂が次の世へ移る日である。

ただ、四十九日は仏教の習わしなので韓国でこの考えが浸透しているかは不明である。

【追記】旧暦について発売日とMV公開日を間違えて書いておりました。コメントにて教えて下さりありがとうございます!


もう一点。先輩であるf(x)が7月7日に発売した「Red Light」これは公式的にもセウォル号事故の批判作品だと表明している。


第二章: ティザー写真の謎

まずはウェンディとジョイの写真。
ウェンディの手には大きな折り紙の船、そしてジョイの足元には小さな折り紙の船がたくさん。

言わずもがな、セウォル号事故で弔いの為に折られた船と同じ物。

スルギだけがこちらを向いている。

アイリーンを取り囲み回る4人。
"かごめかごめ"をしているようにも見える。
かごめかごめには、真ん中の人に霊を取り憑かせ、再び会う事ができるという都市伝説がある。

灯りを持つ5人。灯りには故人の為の道を照らす役割がある。


第三章: MVの謎

冒頭では各メンバーが順に映る。
スルギのアイシャドウ、そしてイェリの背景にも何か黄色の物がある。(アイリーンも黄色のアイシャドウ)

セウォル号事故の犠牲者を悼むイエローリボン。その色から来ているのではないだろうか。

ウェンディとアイリーンの背景にある張り紙。
N 15-16」や「AIS」が読み取れる。

AISは「自動船舶識別装置」の略で船名や進路、速度などを発信し船同士の衝突等を防いだり船の情報管理に用いられている。

N 15-16に関してははっきりと分からないが、事故が起きた(15〜)16日を指すと推測する。

実は、事故の原因究明の為にAISの情報を解析しようとセウォル号の船内から機械を探すも見つからなかった。普通は載せてあるはずの機械が無いーそもそも載せていなかった、不自然にデータが消された、脱出の際に持ち出した。色々な憶測が飛び交った。

この張り紙にはその陰謀を表していると考える。

船内を彷彿とさせる狭い廊下。
佇むウェンディを鍵穴から覗くスルギ。
鍵穴には「秘密」の意味も。
イメージ写真でもスルギだけがこちらを見ていたように、何か「秘密」を知っているのか。

ドアから外に出ると海のような背景が一面に。

一方、アイリーンは部屋の中で椅子に座り鏡を見つめている。

横にはジョイ。

ジョイは階段(梯子)を登る。下にはまた海。

イメージ写真でも窓から外に出るような描写があるジョイ。先程触れたイエローの服を着た彼女。「光,希望」を表す。

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ジョイがコーヒーの表面(=海水面)に上がるとスプーン(=船)が。ジョイは助かったのか、はたまた間に合わなかったのか。

室内(=船内)にいたスルギが窓を開けるとウェンディが雨に打たれてずぶ濡れになっている。

段々と辺りが暗くなる中、イェリは船の上で横たわっている。この船はセウォル号を表すのか、それとも小型ボートを表すのか。

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メンバーが座るテーブルから離れていくジョイ。ここでジョイが歌う歌詞は

"우리, 다시 만나 (私たちまた会おうね)"

やはりジョイと後の4人で明暗が分かれる。

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水で満たされた部屋(船内)か廊下にいるスルギ。
妙に落ち着いた様子は、悟りや途方のない気持ちが感じられる。そして遂に扉から出る。

扉の向こうに居たのはイェリ, スルギ,ウェンディ, アイリーン。白い衣装を纏って幻想的な森の中に居る。

ここにジョイは居ない。

ジョイは外に出る描写から生存
アイリーン, スルギ, ウェンディ, イェリは恐らく船に取り残された
のだ。

事故当時、船の多くを占めた修学旅行生や利用客は避難指示が出ず「船内に残るように」と指示があった。

場面が変わり、ウェンディが机の下に潜る。辺りには水がある事が分かる。

ロウソクの灯る空間にいる5人。

空にはオーロラが。オーロラには「夢,幻想」の意味が。5人でいる事は夢なのか。

先程まで寝ていたイェリがようやく起きたが、彼女の周りには既に水で満たされている。

アイリーンもまた、丸い窓から突然水が押し寄せ倒れてしまう。2枚目の写真では突然部屋の色が""色に。部屋の上に現れた家具から、部屋が水で溢れた事を表現している。

先程4人が居た森に現れるジョイ。
彼女だけ黒い服を着ているのは喪服の役割か。

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次々とランプが消えていく廊下を急ぐ様子もなくとぼとぼと歩くスルギ。右側にある非常ベルの存在が本当にやるせない。

他のメンバーとは少し変わった行動を取っていたように見えるスルギ。スルギが知っていた「秘密」は、セウォル号事故が自然発生的なものではなく人為的である事についてなのだろうか。


第四章: モチーフの謎

ここからは「7월7일」の写真やMVに関与したと見られる美術的モチーフについて考える。

Ⅰ. ルネ・マグリットの謎

まずはアイリーンが鏡に向かう場面。
ルネ・マグリットの「不許複製」を彷彿とさせる。

瞳の中に映るウェンディ。再びルネ・マグリットの作品「偽りの鏡」に似ている。

こちらもルネ・マグリットの「

ルネ・マグリットの作品はRedVelvetの他のMVに留まらず、他グループにも登場する。


(上: Bad Boy MV/下: ルネ・マグリット「イメージの裏切り」)


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(上,中段: f(x) 4walls, 下段: ルネ・マグリット白紙委任状」)



(上: f(x) Pink Tape / 下: ルネ・マグリット「恋人たち」)

などなど。これはもうルネ・マグリットの謎と言うよりはミンヒジン先生の謎。


Ⅱ. 童話の謎

更には童話(と言うよりディズニー)的要素もある。

アイリーン: リンゴや髪型から白雪姫
スルギ: ロウソクや1輪の花からベル
イェリ: 長い金髪やピンクの衣装からオーロラ姫かラプンツェル

ジョイ: 窓から出る姿からウェンディ
ウェンディ: 赤い髪やスカートの形からアリエル

ウェンディがウェンディでは無いところが面白い。

また、どのイメージ写真を見ても絶対に足が写っていないウェンディ。人魚設定の細やかさが垣間見える。


更によく見ると2人の椅子は同じ。
そしてジョイの右手に嵌められた指輪がウェンディの写真で確認できる。この手はジョイのものなのだろうか。


Ⅲ. ティーカップの謎

イメージ写真ではティーカップが何度も登場する。ここで気になるのはカップに液体が入っており、更にそれを飲もうとしているのはウェンディだけという点である。

イメージ写真ではアイリーンとティーカップの組み合わせが無いのも気になる。

ただ、アイリーンはアルバムのジャケットシーンではスルギ, ジョイ, イェリらとカップを持っている。ここでも飲んでいるのはウェンディだけなのだ。

ティーカップが印象的な童話と言えば「不思議の国のアリス」が真っ先に思い浮かぶ。そして前回の考察「Dumb Dumb」ではグループ全体のモチーフとして「鏡の国のアリス」がベースになっている可能性があると書いた。

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まさにこのシーン。不思議の国のアリスの続編「鏡の国のアリス」でこのような部分がある。

"これなら簡単に通り抜けられるわ (中略) 次の瞬間、アリスは鏡を通りぬけて、ピョンッと鏡の国の部屋に飛びおりていました。(中略) そして、本物の火が、後にしてきた部屋と同じくらい明るく輝いているのを見て、アリスはとてもうれしく思いました"


第五章: まとめ

①「7월7일」はセウォル号事故をモチーフとしている可能性が非常に高い

②MVではジョイが生存した設定

③MVではルネ・マグリットの作品がモチーフとして多用されている

④メンバーはディズニーキャラクターとも重なる

アリス的要素は今作品だけに留まらず、RedVelvet全体に関わる可能性がある


あとがき

「7월7일」考察いかがでしたか。

この考察が毎度の事ではありますが合っている訳では無い(と言うより公式が違うと表明している)ので、本当にただの個人的な解釈だと思って下さい。

今回は書いていて辛くなった場面もありましたが、自分の好きなグループの作品の考察が僅かな可能性であれ、あの事故を思い出させる(=風化させない)機会となればと考え最後まで書きました。

最後に、セウォル号事故に関わった全ての方々へご冥福をお祈りすると共に、今後の人生が少しでも心穏やかに、そして素敵なものになりますよう祈っております。


それではまた。 エト