【Red Velvet】Russian Roulette考察
こんにちは、エトです。
今回は「Russian Roulette」の考察です。
第一章: ティザー写真の謎
今回のイメージ写真は次作「Rookie」に繋がる部分が多いので、通ずる部分については次の記事でまとめて書く予定。
Ⅰ. アイテムの謎
画面上の時計の針に注目すると「2:1」
次作「Rookie」の発売日「2月1日」に繋がる。
「Hapiness」で登場した「チェリー」のネックレスとピアスを着けたジョイとイェリ。
「Automatic」で登場した「トマト」を持つスルギ。
そしてMV中ではあるが、こちらも「Hapiness」で登場した「パイナップル」のピアスをしたイェリ(恐らく)。
今回のイメージ写真は単体の謎と言うよりは、グループの作品を通じての謎が大部分を占めている。
Ⅱ. 既出作品のオマージュ
先程のフルーツ等と重なる部分もあるが、以前に出されたMVやそのイメージ写真の要素が見受けられる。
スルギは「Hapiness」のイメージ写真のようにオレンジ色の背景に髪、カラフルな衣装、胸にはユニコーンのネックレスがある。
また、ウェンディの写真には
「Automatic」=テーブルや食器
「Dumb Dumb」=そばかす, パーマ
「7월7일」=カップ, 雨の窓
などたくさんの要素が詰め込まれているようだ。
Ⅲ. フォントの謎
また、Automatic以降採用されているフォントはICCと今作に再び登場した。このフォントが用いられる共通点は何か。これ以降の作品にも採用されるようであれば、その要素を整理する予定だ。
第二章: MVの謎
今回のMVには大きく分けて3つの側面に分けられていると推測する。
①アイリーンを巡る4人の奪い合い
②ロシアンルーレットに似たいじめ構造
③マスメディア批判
③については前作「Dumb Dumb」に通じる要素が多いので、もし良ければご覧下さい。
それでは早速それぞれのパートを詳しく見ていこう。
Ⅰ. アイリーンを巡る4人の奪い合い
同じ場所にいるカットが何箇所かに散らばっている事から、時系列が狂っているように見えるが服装や場所などを考慮して大体の筋を立ててみた。
おもむろにイェリがアイリーンにボールを当てる。
しかし次のシーンではボールを当てられたのにも関わらず、アイリーンがイェリを膝枕している。
ここで考えられるのはボールは物理的な意味ではなく、気持ちを表した物ではないだろうか。
イェリの気持ちが伝わりアイリーンを独り占め。これにメンバーたちが嫉妬する。
そうはさせまいと次に現れるのはウェンディ。
アイリーンとイェリの邪魔をしにプールへやって来る。
こっそりとプールの水を抜いて…
恋敵イェリを突き落とすのだ。
晴れて作戦は大成功、ウェンディはアイリーンを独り占めできた。
そんなウェンディにテニスで対決を申し込むスルギ。審判のジョイはハラハラしている。
一方、ウェンディの攻撃から復活したイェリは、再度アイリーンへのアプローチをする為にテニスコートへ。
時を同じくジョイも、テニスで白熱しているウェンディとスルギを置いてアイリーンへボールを打ち込むのだ。
アイリーンを独り占めするジョイ。イェリはまたしても負けたようだ。
スネたイェリはテニスボールをテーブルに投げる。
そして大好きなアイリーンの気を引きたいのか困らせたいのか、シリアルにネジを混入させるのだ。
イェリはマンネ(末っ子)という事もあってか、スネたり相手の困る事をして気を引こうとする。
MV冒頭でメンバーが耳打ちをしていくシーンでも、アイリーンから言われた事をウェンディに伝えないのもそのせいか。
その頃、ジョイにアイリーンを取られたままのウェンディとスルギはここで結託して、あや取りをして遊んでいる2人にピアノをぶつけようとする。
しかし気付かれてしまったようだ。
スルギはリベンジを図るため、ジョイにお化粧をする事を口実に、かねてより準備していたカラクリ屋敷に招待し作戦を実行する。
カラクリを通じてジョイの頭に冷蔵庫をぶつける事に成功したようだ。
ここで以前から結託していたウェンディも加わりやっと3人に。しかし、スルギはまだウェンディすらも邪魔な存在である。
最後はベッドで寝ているウェンディを道路に置いて完全に独り占めするのだ。
そして待ちに待った2人きり。ライバルがいない時にお得意のカラクリを用いて気持ちを確実にアイリーンに撃ち込む。
だが最後には復活を遂げたライバルたちに報復を受けるスルギ。
以上がアイリーンを巡る4人の奪い合い説である。
ところで何故テニスなのか、という点については恐らくテニスの得点数の呼び方が「0=ラブ=LOVE」だからではないだろうか。
"넌 항상 Love is game 쉽게 즐기는 가벼움일 뿐이라고 (あなたはいつも Love is game 気楽に楽しむ軽いものにすぎないって)"
Ⅱ. ロシアンルーレットに似たいじめ構造
ご存知だと思うが、このMVではメンバーらが様々な手法でお互いを攻撃し合っている。
ここで各メンバーの加害・被害状況を整理すると
ジョイ
〔加〕アイリーン, スルギ〔被〕ウェンディ, スルギ
このMVの舞台が女子高のような雰囲気というのがミソである。さて、いじめ問題で5人を職員室に呼び出した時に「誰を注意すればよいか」分かるだろうか。
答えはもちろん全員である。
いじめた相手の数など多少個人差はあるが、誰もが加害者であり被害者であるのだ。
学生時代、よくいじめの標的がコロコロと変わるようなグループは無かっただろうか。筆者は小学生の時に隣のクラスであった。
一体では何故そのような事が起こるのか。その心理は「いじめられるのが怖いから」である。いじめている間は少なくともいじめられない。
まるでロシアンルーレットのように、自分の引き金を引いた時に弾が入っていなければ緊張感は極端に減る。そして"次の相手に弾が入っている事を意識・無意識に関わらず望む"のである。
Ⅲ. マスメディア批判
3点目は前作「Dumb Dumb」に引き続きマスメディアに関する批判的メッセージである。
MVでのメンバー同士の攻撃は、あからさまな表現は全てアニメーションに任せている。これによって直接的な暴力要素は排除されており、親しみやすいムービーになっている。
ネズミとネコの関係が反転したアニメーションと言えば「トムとジェリー」のような気がするが、これは「ザ・シンプソンズ」のアニメの中に出てくる「The Itchy&Scratchy Show」である。
これをどう批判しているのかと言うと、メンバーの表情がポイントである。
MVを見ていて気になるのがメンバーがほとんど無表情という点である。そしていじめ合っていると言うのに、ウェンディ, スルギがピアノを落とすシーン、またジョイがテニスボールを打ち込む際は悪い意味なく純粋に笑っているようにも見えるのだ。
つまり、アニメ(マスメディア)を見て育った子どもは、そっくりそのまま育ってしまうという事だ。
「The Itchy&Scratchy Show」のような過激なやり合いを小さい頃から日常的に見ていると、特に周りから「これはアニメだから」と注意を受けない限り、現実との線引きが難しくなる。
なので、メンバーたちはいじめ合っているようにしか見えないが、実は彼女達は道徳心や罪悪感が欠如した状態で遊んでいるだけなのだ。
最初はボールを当てるくらいの遊びが、テニスボールを本気で打ち合うようになり、車に轢かせ、頭上に冷蔵庫を落とす…というようにエスカレートしているのもそのせいだと考えられる。
そして、そのような子どもたちがMVでは増殖していく。増殖した子どもには実体のないような影のみの描き方=前作「Dumb Dumb」のマスメディア批判要素も垣間見える。
しかし、
「Dumb Dumb」はマスメディアからの大量生産・大量消費の過剰な情報量に対する批判
「Russian Roulette」はマスメディアから与えられる情報の取捨選択能力(=メディアリテラシー)に対する批判のようにも思える。
簡単に言えばこの2作は情報の「発信側」と「受信側」のそれぞれを批判しているという事である。
第三章: まとめ
①イメージ写真にはこれまでのMV等の要素が多く取り入れられている
②次以降の作品のネタバレも多い
③MVではアイリーンを4人が取り合う
④いじめの標的がロシアンルーレットのようにコロコロと変わる様を描いている
⑤メディアの影響力の恐ろしさ
あとがき
「Russian Roulette」考察いかがでしたか。
今作くらいからグループ系の謎が如実に影響してきているのを感じて、そろそろ整理しないといけない気がしています。
今作はみんな異常に可愛いですが、特にウェンディちゃんがコンセプトと相性が良かったのか、ものすごく可愛いなと思いながら書きました。推しはウェンディちゃんかスルギちゃんかデビュー当時から迷ってます。
最後に、これはあとがきで書く事では無いのですが、スルギのカラクリでMVでは恐竜のおもちゃが登場してジョイの頭に冷蔵庫が落ちるような流れですが、よく見ると奥に使われていない形跡があるんですよね。
これはアイリーンへのカラクリなのか?と思ったのですが、あのMVの流れからして不自然で。
これは今後もしばらく悩まされそうな謎です。
それではまた。 エト