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【Red Velvet】Dumb Dumb考察

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こんにちは、エトです。

今回は「Dumb Dumb」の考察です。

第一章: ティザー写真の謎

初めに"Dumb"の意味について。
①言葉に出来ない
②バカな

ここではこのような意味が考えられる。


Ⅰ. ジョイの謎

ジョイだけが両足を地面につけている。
指をさしている事から何かの役割があるのだろうか。

別の写真ではジョイだけが笑い、他は少し驚いているように見える。「Hapiness」と似た構図だ。


Ⅱ. スルギの謎

下段のウェンディとジョイが対照的。
そしてスルギだけが"Dumb"と書かれたテープの様な物を持っている。

明らかにスルギと"Dumb"に深い関わりがある事が読み取れる。

また、スルギは1人だけ立っている。


Ⅲ. 次作のネタバレの謎

アイリーンがメンバーカラーのストッキングを履いていない点も気になるが、彼女のエプロンに注目しよう。それぞれのメンバーの名前が記されている。

更にメンバーの名前は1文字ずつ色がついている。抽出すると"NO SEE"となる。

一つの可能性ではあるが、次の作品「7월7일」の七夕コンセプト "1年に1度しか見られない" というある種のネタバレか。

また、ウェンディが持っている黒い手鏡。よく見るとディズニープリンセス(シンデレラ, ベル, アリエル, オーロラ等)のステッカーがたくさん貼られている。

これもまた「7월7일」で登場する要素である。

ここではアイリーンだけに留めておくが、メンバーが着用しているポロシャツの襟にも細工が施されている。

アイリーンの襟には薔薇が一輪。
横にある手鏡と相まって更に「美女と野獣, 白雪姫」のコンセプトが強まっている。

そしてまたウェンディ。彼女のイメージ写真ではマスクや手で口を覆う描写が多い

先程少し触れたが「Dumb」には
①言葉に出来ない
②バカな
以外に ③口の利けないという意味もある。

自作「7월7일」考察で詳しく書くつもりだが、ウェンディは恐らくアリエルコンセプトなのだ。

アリエルは脚を得る代わりに声を失うのである。


第二章: MVの謎

表向きは "好きな人の前ではバカみたいに言葉が出てこなくなったりロボットのようにぎこちなくなってしまう女の子" という風に捉えられる。

しかしこのグループに限ってそんな単純なコンセプトで来る筈が無く。まずは他説を実証する為に大前提となる仮説を立てる。

舞台は工場。MVで度々登場する箱には"Dumb"というテープが貼られている。韓国では「バカの箱」と呼ばれるものがあり、それは「テレビ」だそうだ。

また、MVを通して見ると液晶を始めラジオ等他のメディアも確認できることから、MVではマスメディアに対するメッセージがあるようだ。


意味有りげに登場する「チェス盤」を囲んできちんと座るメンバー。チェスと言えば将棋と並ぶ「論理的思考」がカギとなる。

また、チェスの駒の色に注目するとオレンジ色青色である。(オレンジ=「自由」青=「秩序」の象徴)

つまりMVでは「自由と秩序」についても何かしらのメッセージがありそうだ。

度々登場する「鳥籠」には「不自由」という意味がある。つまり彼女らはマスメディアに支配され自発的な思考が止まった人々を表すと考える。


その最たる例がアイリーンである。
アイリーンは「Dumb(=思考停止状態)」で書類に「Dumb」の印を押し続けている。バカな者がバカな物を生産し続けているという皮肉の表れだと思われる。

働いていない時でさえ機械的なアイリーン。


一方「バカの箱」から出てきたイェリは、単一的な作業ではなく生産される"モノ"に関心を寄せているように見える。この一見普通に見えるイェリが実は「故障した人形」なのだ。


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ティーザーで1人だけ箱から飛び出したイェリは欠陥品とメイキングでも語られている。


ここで思い浮かぶのはチャーリー・チャップリンの代表作「モダン・タイムス」である。

モダン・タイムスは当時の資本主義社会機械文明から労働者がただの歯車になっている世の中を皮肉った作品である。

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また、MVでよく見られるメンバーがいくつにも増えていく描写。フランスの社会学ジャン・ボードリヤールが提唱した「シミュラークル」を表現しているのではないか。これは、コピーのみが存在し、中身の無い様子を表す。コピーが横行し現実を失った状態はMVと一致する。

そしてダンスの振り付けに注目すると「考えろ」というジェスチャーに捉える事もできる。

美術的な観点から見ると、色遣いや同じような物がたくさん配置されている事からアンディ・ウォーホルの作品を彷彿とさせる。

アメリカ的なポップなカラーやデザインが楽しいが、実はその裏にはアメリカの資本主義等がもたらす大量生産・大量消費・非人間性・陳腐さ・空虚さが表れており、資本主義やマスメディアを批判していると言うのだ。

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MVに話を戻そう。今までずっと自分は「故障した人形」と思っていたイェリは人間だったのである。

これまでは人形のように単一的な作業を繰り返していたが、ペン立てを落としてしまった事をきっかけに彼女の歯車は狂い出す

初めてミスをした途端、工場は一変。

チェスの駒が浮き、メンバーが立ち上がる。

同じく単一的な仕事を繰り返していたジョイも、外の世界に興味を持ち始める。

割れる卵に人形。卵からはピンクの液体が。殻に閉じこもっていた何かが溢れたのか。人形の姿をした人間が思考を取り戻す瞬間だ。


嬉しそうなイェリ。

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夜中に車に乗り込むメンバーたち。アシスト役となる助手席にはイェリが座る。工場からの脱出を図っているのだろうか。

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箱に閉じ込められたイェリ(のコピー?)を助けるべく他のメンバー(〃)も動き出したのか。

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バカの箱」から溢れ出す脚。

イェリ以外の正気を失った目をしたメンバーが初めて生き生きとした表情をしている。ここでイェリが撒き散らしている球体はオレンジ色だ。

そう、チェスの駒と同じ色である「自由」が勝った事を表している。

至るところで見られた「非常口」や「危険」の文字。中にはご丁寧にフランス語で表記されている物もあった。

車に乗るメンバー。
外は明るく、またその表情も明るい

資本主義社会による人間の歯車化からの脱出に成功し人間としてのアイデンティティを取り戻したのだ。


第三章: モチーフの謎

Ⅰ. 鏡の国アリス的要素

イメージ写真のロゴを始め、いつもは左ハンドル席のアイリーンが右ハンドル席に座っていたり、今回は反転した世界の中にいるようだ。

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回る方向も反時計回り。チェス・反転という要素を鑑みると鏡の中の世界でチェスのルールに従って冒険をする「鏡の国のアリス」が思い浮かぶ。


(上段: Hapiness MV / 下段: Russian Roulette イメージ写真)

やはり今作のみならず、チェスはRedVelvetの作品に通じて登場する。

となると、飛躍的な解釈にはなるが卵・人形という要素から「鏡の国アリス」の登場人物「ハンプティ・ダンプティ」が思い浮かぶ。

その真偽は不明だが、今後の作品を通して同じような要素が出てくるのであれば、RedVelvetというグループは「鏡の国のアリス」をベースに動いていると考えて間違い無さそうである。


Ⅱ. RedVelvetの謎

MVで数回登場した時計。どの場面でも時刻は同じで「12:35」だと思われる。

実際にイェリがミンヒジン先生に「この時計は小道具だから動かないのですか?」と聞くと「RedVelvetに関係のある時間なのよ」と言われたそうだ。

日付や時刻においても謎が多いRedVelvet。自作以降も時計に注目すると面白い事が分かるかもしれない。

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また、これまで幾度となく登場してきた「」は今作では見当たらないが、実はダンスで本を開き、ページをめくる動作がある。本についても今後の作品の動向を注視する必要がある。


第四章: まとめ

①MVは現在の資本主義社会・マスメディアを批判する内容

②自分は壊れた人形だと思っていたイェリは実は真っ当な人間だった

③グループ全体の謎としてジョイは特別な存在

④RedVelvetは鏡の国のアリスがモチーフになっている可能性

⑤RedVelvetにとって12:35は重要な数字


あとがき

「Dumb Dumb」考察いかがでしたか。

今回のMVはICCやAutomaticとはまた違うビジュアルの良さがあって、本当にRedVelvetの振り幅は凄いなと感嘆しておりました。

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考察では特に用いなかったのですが、このシーンがとっても可愛くて個人的なお気に入りの1つです。

作品を重ねるごとに共通する謎やモチーフが出てくるので、そろそろRedVelvet全体の謎をまとめた記事を書こうかと考えています。


それではまた。 エト